久し振りに素敵な育児書に出会いました。
児童精神科医 佐々木正美さんが書いた本で、絵はぐりとぐらの山脇百合子さんが描いています。
絵のおかげで、絵本のように手に取りやすい本ですが、内容もとてもやさしい言葉でわかりやすくかかれています。
子供を人として、人間らしく育てるにはどうしたらいいかというのがこの本のテーマ。
昔は、育児に悩んでいる人も不登校の子供もキレる子供もいなかった。
これはどういうことなのか。
一番大事なのは乳幼児期の育児にあると作者は言っています。
子供が乳幼児のときは、家をたてるとしたら基礎工事の時期。
大学行くことや留学をするということは、内装工事や家具を並べるような時期。
人はえてして、どんな大学をでたかなどを
重要視しますが、家具などはあとから何度でも買い換えることができます。
大学など何度でも何歳からでも入りなおすことができるのです。
でも、基礎工事は最初からやりなおすことなどできない。
だから、やり直しがむずかしい乳幼児期の育児はとても重要なのだと言っています。
どの親も子供に思いやりのある人間に育てたいと思っています。
なのに、最近育児につまずきを感じている人が昔より多くなったのはどうしてか?
近年、勉強、スポーツ、稽古ごとという知識や技術はるいは技能的なものは、お金さえだせば教えてくれるところはいくらでもあります。
ところが、思いやりというような人間らしい感情だけはだれも、どこでも、育ててくれないものなのです。
私たちは今日、面倒なことはなんでも、お金ですませてしまおうとする習慣が身についてしまったものですから思いやりのような、親が自分の家庭でやらなければならない人間らしい面だけは、子供の心に育てられなくなってしまいました。
お金で買う便利さになれてしまって、多くの人はなかなか便利にならない育児にいらだっているのが現状です。
ではどうすればいいのか。
人を信頼できるようになる第一歩は
赤ちゃんのときに自分の望んだこと望んだとおりに十分にしてもらうことだそうです。
だっこやおんぶをしてといわれたら、赤ちゃんが望んだとおりにやってあげる。
そうやってやってもらった子供が、相手のいうことを心から聞き始めるのです。
おかあさんのいうことを聞きなさい!と怒るのではなく、
こんなにたくさんのことをしてあげたんだから、お母さんのいうことをひとつぐらいは、聞いてちょうだいというのが、幼い子どもの気持ちに対して、自然でうまい育児であると思います。
う〜ん深いですよね。
確かにそうした方が、子供も安定し、親もガミガミしなくてとってもいい関係が保たれるような気がします。
もう遅いとは思いませんが、これからはこういう姿勢で行きたいと思いました。
最後に佐々木先生はこういっています。
おとうさんにお母さんにいいたいのは、子供の笑顔や喜ぶ姿にご自身が喜べるご両親であってほしいということです。
親の希望どおりのことを、子供がしてくれることに喜びを感じるのではなく、子供の希望にこたえられることに幸福を感じられる親であってほしいということです。
“人間”の本当の幸福は、相手の幸せのために自分が生かされていることが、感じられるときに味わえるものです。
このことは本当に本当です。
自分の幸せばかり追求することによって得られる幸せなど、本当の幸福ではけっして、けっしてないのですから。

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